カテゴリ: 記帳代行

恵比寿から3分の税理士・会計事務所、
フューチャリング恵比寿です。

本日は、免税から課税への移行期についてお話したいと思います。


免税事業者が新たに課税事業者となる場合で、免税事業者期間の末日において所有する
棚卸資産のうちに、免税事業者期間中に仕入れた棚卸資産がある場合には、
以下のようになります。

その棚卸資産に係る消費税額を、課税事業者になった期間の仕入れに係る消費税額の計算の
基礎となる課税仕入等の税額とみなして、仕入税額控除の対象とします。

税抜仕訳の場合には、仮払消費税を認識して、棚卸資産の価額を減額しておきます。



免税事業者期間中の仕入について、課税事業者になってから仕入値引・割戻が
あった場合には、その対価の額の中に消費税額は含まれていない扱いなので、
「課税対象外」取引にしなければなりません。

ところが、免税事業者期間中の仕入に係る商品等で課税事業者になった最初の期首に
有していたものを、その後仕入返品する場合、前記のような期首棚卸資産の税抜処理との
関係から、その取引はマイナスの「課税仕入」取引とします。



免税事業者期間中の売上について、下記の場合にはその対価の額の中に消費税額が
含まれていない扱いなので、「課税対象外」取引にしなければなりません。
  • 課税事業者になってから売上値引・割戻・返品があった場合
  • 貸倒れが生じた場合
  • 消却債権取立益を得た場合


なお、免税事業者期間中の売上に係る売上返品により増加した棚卸資産については、
税抜きが要求される期首棚卸資産とは無関係なので、売上値引・割戻等と同じく、
その対価の額の中に消費税額は含まれていないものとして「課税対象外」取引にします。

仕入返品と売上返品との相違点です。



免税事業者期間の商品仕入105億円・売上210億円・期末棚卸なし。

次の期に課税事業者になってから、全売上が返品となったものの、
まもなく同額で同じく売上が実現したとします。

それだけの取引しかなかったとすると、以下のようになります。

当期売上   200億円

当期売上戻り 210億円

当期売上原価  0億円 当期利益−10億円

当期課税売上 200億円

当期課税仕入  0億円 納付消費税10億円

このような、不合理な結果になります。

税抜きのある仕入戻りにはない不合理です。


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恵比寿から3分の税理士・会計事務所、
フューチャリング恵比寿です。

本日は、不法行為による損害と賠償請求権についてお話したいと思います。


悲しいことですが、金銭を扱う仕事の周辺には、
詐欺・横領などの不正行為のニュースが絶えることがありません。

私法上では不正行為を受けた場合には、その損害と同時に
損害賠償請求権を取得するものと解されています。


「これを法人税務ではどのように取扱うのか」という議論は、従来より絶えません。

,痢崙瓜両建説」と△痢岼杙両建説」の2つの立場があります。
  1. 財産の損害(損金)と損害賠償請求権(益金)を「ひもつき」と見る
  2. 財産の損害(損金)と損害賠償請求権(益金)を「切り離して」見る


下記は、昭和43年の最高裁判決において、社長の横領行為による損失と
これに対する損害賠償請求権の計上時期の判断について示された考え方です。


仕訳で示すと以下のようになり、損失発生年度に同額の損金・益金を認識します。

(横領損失)×× / (仮払金)××

(未収賠償請求権)×× / (雑益)××


結果的には、この事業年度で損益は計上されません。

この「同時両建説」は、損害と賠償請求権が同時発生するという
私法の発想にも合致します。
(未収賠償金が回収不能ならば、後に貸倒損失を認識)



その後、昭和55年に実務から発達したものとして、法人税基本通達2-1-43が登場します。

これは、以下のような取扱いです。

他の者から支払いを受ける損害賠償金は、支払いを受けるべきことが確定した日
(または、実際の支払日)の属する事業年度に益金算入する。


この考え方を用いれば、上記の「横領損失」が損失発生年度に先行して計上され、
「賠償金」は後の確定した日に計上されます。

これを「異時両建説」といいます。

ただし、この通達は加害者を他の者(第三者)とする不法行為をカバーするものであり、
他の者でない役員や従業員については、個々の事情で判断されると解されます。



そもそも横領などの不正行為があったとしても、その時点では把握することは困難であり、
後日発覚するというケースが多いはずです。

経理部長の横領行為が税務調査で発覚した某事件では、損害賠償金の計上時期を
「賠償請求権の行使が事実上可能となった時」(法人が損害の発生と加害者を知った時)
とする判決が出されています。


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本日は、圧縮記帳の差益割合についてお話したいと思います。


収用等により代替資産を取得して圧縮記帳の適用を受ける場合、
差益割合の算出は不可欠です。

差益割合は、以下の算式で求められます。

 対価補償金−譲渡資産の譲渡直前の帳簿価額−譲渡費用
        /対価補償金−譲渡費用



差益割合の適用を巡る争いのそれぞれの主張は、以下の通りです。

■納税者の主張

代替資産を複数取得した場合の差益割合は、その取得資産の合計額全体に適用して
圧縮限度額を求め、その範囲内で任意の方法により圧縮記帳ができる。

■税務署の主張

取得した個々の代替資産ごとに差益割合を適用して、個々の資産ごとに圧縮限度額を算定。

その上で圧縮記帳をすべきであり、この場合、圧縮損として損金経理しなかった
代替資産は、圧縮限度額の計算の基礎となる代替資産には含まれない。

一審・二審とも税務署の主張が支持され、現在、
納税者側から最高裁に上告受理申し立てがなされています。


以下、設例で両者の差異を確認してみます。

<収用等に係る譲渡資産>

 資産区分    帳簿価額  対価補償  譲渡費用
 土 地      10,000    100,000   1,000
 建 物      21,600     60,000   1,000

<取得代替資産>

 資産区分   取得価額  用途
 土  地   90,000  事業
 建  物 50,000  事業
 機械装置      18,000  事業

※差益割合=0.8(譲渡資産全体で計算)
 160,000−31,600−2,000/160,000−2,000



納税者の主張では、圧縮限度額は126,400(158,000×0.8)となります。

その範囲内で任意に圧縮損を計上することができることになります。
(例えば、代替資産の土地に80,000・建物に46,400)


一方、税務署の主張ように個々の取得資産ごとに差益割合を適用して
圧縮限度額を計算すると、以下のようになります。

  • 土地72,000・建物40,000・機械装置14,400が限度額となる
  • さらに、納税者側の処理では機械装置の取得価額が損金経理により圧縮されていないことから、圧縮限度額の計算上、代替資産の取得価額には含まれない


その結果、税務署の主張からすれば圧縮限度額は112,000となり、土地については8,000、
建物については6,400の圧縮超額が生じることになります。

両者を比較した場合、一概に言えませんが土地の圧縮損が多く計上できた方が有利です。


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本日は、出張費のキャンセル料についてお話したいと思います。


業務に伴い出張する場合、ホテル・新幹線・飛行機の予約をした場合には、
出張日よりかなり前に代金の決済を行います。

また、旅行業者に任せた場合でも代金の決済は出張日より前となります。


この時の経理処理は、以下のようになります。

出張費**** / 現預金****


当然に国内出張であれば、消費税は課税取引となります。



しかし、業務の都合で突然キャンセルとなった場合、キャンセル料が発生し、
支払った出張費の一部または全額が戻ってこない場合があります。

一部返金があった場合は、返金分を戻して出張費をマイナスします。

返金がない場合は、いずれにしろ経費ですからそのままにしてしまいがちですが、
「出張費」と「キャンセル料」では消費税の取り扱いが違います。



実は、いわゆる「キャンセル料」といわれるものの中には、
下記の2つの性格のものがあります。
  • その解約に伴う事務手数料としての性格のもの
  • 解約に伴い生じる逸失利益に対する損害賠償金としての性格のもの


前者の解約に伴う事務手数料としての性格の場合は、解約手続き等の事務を行なう
役務の提供の対価だから課税取引となります。

一方後者の場合には、相手方が本来得ることができたであろう利益がなくなったことの
補てん金だから、資産等の譲渡等の対価に該当せず、不課税取引となります。



そこで、キャンセル料の経理処理は以下となります。

雑損失(逸失利益) / 出張費****
雑費(事務手数料)
現預金(返金分) 

雑損失は不課税取引・雑費は課税取引、返金がない場合は現預金は発生しません。


なお、解約等に際し授受することとされている金銭のうちに「役務の提供である
解約手数料等に相当する部分」と「逸失利益等に対する損害賠償金に相当する部分」とが
含まれている場合、キャンセル料の性格の区別がされていないで一括して授受することと
している時には、全額を不課税取引として取り扱うこととされています。


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本日は、ホステス等の報酬に係る源泉税についてお話したいと思います。


最高裁での逆転勝訴と言うと、武富士の贈与税が有名です。

しかし、その前年の平成22年3月2日、ホステス等の報酬に係る源泉税を徴収する際に
控除する金額の計算をめぐって行われた裁判で、最高裁は1・2審の東京地裁・高裁の
判決を破棄し、差し戻す判決を言い渡しました。



ホステス等に対して報酬を支払う場合、所得税法では源泉徴収をする旨を定めています。

源泉徴収すべき所得税の額は、報酬等の額から同一人に対し1回に支払う金額について、
5千円にその報酬等の計算期間の日数を乗じて計算した金額を差し引いた残額に
10%の税率を乗じて算出します。(所得税法施行令第322条)

報酬等の額−(5千円×報酬等の計算期間の日数)=源泉徴収すべき所得税の額


問題となったのは、この「計算期間の日数」です。

  1. 報酬の各集計期間の全日数となるのか
  2. 実際の出勤日数となるのか

この2つの解釈が争われていた裁判でした。


最高裁の判決は、以下のような判断を示しました。

ホステスの業務に関する報酬の額が、一定の期間ごとに計算されて支払われている場合、
その支払金額の計算期間の日数は、ホステスの実際の稼動日数ではなく、
当該期間に含まれるすべての日数を指すものと解釈し、納税者サイドを支持する。



1・2審判決は、「出勤日のみ必要経費が発生すると考えるのが自然で、
その方が実際の必要経費額に近い」と指摘し、請求を棄却していました。


法律ができた当時のホステスさんは、お客さんの売掛の回収から
休日のお付き合いまで、お店に出勤する以外でも仕事をしていました。

しかし、現在ではそう言ったプロのホステスさんは滅多に見かけなくなり、
ほとんどが日給・月給のアルバイト的なホステスさんです。

税務当局の主張の方が、実態に即していると言えなくもありません。


武富士の贈与税は、その後法律が改正されましたが、
ホステスの源泉徴収は、いまだ法律は改正されておりません。


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